蝉が鳴き、セミナーは終わり──こぱお博士は実験帰りに、手作りのかき氷(シロップ過多もふんver)を片手にフラフラ歩いていた。
白衣には派手に飛び散ったイチゴシロップ。さらに気がつかないうちに白衣のポケットには“氷の塊”まで転がっていた。
🧪こぱお(鼻歌まじり):「この酸味、判例的には過失相当の驚きや〜〜🎶」
しかしその足元では──赤い飛沫が地面に点々と。
なんと...さかのぼること10分前、この場所で、実際に傷害事件が起きていたのだった。
突如背後から拡声器の声が飛ぶ。
👮♂️警官A:「そこの白衣の男性、動かないで!」
🧪こぱお:「……おお、取材かの?“氷と法理の相関”について語るぞぃ?」
👮♂️警官B(慌てて走る):「そこの赤い染み!被害者の衣類に付着してたものと酷似しています!しかも白衣、怪しい!」
🧪こぱお:「な、なにぃ!?いや、これはシロップや!しかも自家製の!いちご100%濃縮還元やぞ!」
👮♂️警官B:「言い訳は署で聞こう」
ーー冷たい取調室。
机の上には“証拠品:博士の白衣”と“押収された氷”。
博士は冤罪を訴えるが、警察側は難色。
👮♂️取調官:「博士とやら。ではこの白衣に飛び散る赤い液体が、被害者の血痕ではないと証明できますか?」
🧪こぱお:「もちろん。我がかき氷研究所製法“もふ式濃縮いちご液”は、酸性度・糖度ともに他とは一線を画して──」
👮♂️取調官:「……あの、科学的に、かつ、簡潔にお願いします」
そのとき、ドアが開く。
颯爽と入ってきたのは、こぱお研究室・最強の頭脳(と毛量)を誇る補佐官──もふん。
スーツに身を包み、片手に持つのは裁判例データベース。
🐾もふん補佐官:「博士は無実もふ!根拠は3点──
① 赤い液体の成分は【果糖+酸味料+食用着色料E129】
② 現場の飛沫は滴下痕、博士の白衣は**付着痕(飛び散り)**──矛盾もふ
③ 被害者の供述:“犯人は黒いシャツ”──博士は白衣&アホ毛」
👮♂️取調官(震える):「くっ、圧倒的説得力……!」
博士は晴れて釈放。もふんと歩きながら、深く反省(?)していた。
🧪こぱお:「わいは今日、真の“法の冷たさ”と“氷の怖さ”を知った……」
🐾もふん:「博士、次からかき氷は“青”にしてください。“ソーダ味”なら誤解されませんもふ!」
こぱおの法律研究室~釈放スペシャルトークライブ ~イチゴ味は無実です~
🧪こぱお(白衣の裾にいちご刺繍入り):
「いや〜拘留期間、冷房効いてて快適やったわ。刑事訴訟法第60条、控えめに言って極寒!」
🐾もふん:
「何アピールしてんですか…もふっ!あと“快適な拘留”ってなんですか!逮捕されたこと反省してないもふ!」
🧪こぱお:
「ワイはな、ただ散歩しとっただけなんや。そしたら警官に“止まりなさいそこの白衣の男!”って。
たしかにシロップが飛び散ってて……“わーお、血みたいやなー!”って思った瞬間──」
🐾もふん:
「アウトもふ。その一言がアウトもふ。テンションが不審者です。あと、その時の服装なんでしたっけ?」
🧪こぱお:
「白衣の中に“ぼくのなまえは正義”って書かれたTシャツを着とった」
🐾もふん:
「もはや凶器もふ。それは全力で誤解されに行ってますよ博士!!!」
🧪こぱお:
「冤罪を防ぐにはなぁ、まず全力で“甘味で証明”する心構えが必要なんですよ。
ワイは鑑識に“ベロで舐めてみ?”と親切に……」
🐾もふん:
「もう一発アウト!!!“口頭で説明”って選択肢どこ行ったんですか!博士、“証明の順番”完全に間違ってますから!もふっ」
🧪こぱお:
「違う違う、これが“蜜の陳述”といって…(ドヤ)」
🐾もふん:
「それ“供述”でも“陳述”でもないもふよ!ただの自白もふ!糖分高すぎて法的視野ぼやけてますよ!」
論証
準現行犯逮捕の要件は、誤認逮捕の恐れが低いという現行犯逮捕と同様の許容理由から、①212条2項各号に当たる者が、②『罪を行い終わってから間がないと明らかに認められる』こと(212条2項柱書)である。
なお、②に関しては、罪を行い終わってから間もないと認められること(時間的接着性)に加え、時間的接着性及び犯人がその特定の犯罪を行った犯人であることが逮捕者にとって明らかであること(時間的接着性の明白性+犯罪及び犯人の明白性)が必要と解する。
以下のいずれかに該当し、かつ「罪を行い終わってから間がない」と明らかに認められる者は、現行犯人とみなされる(=準現行犯人)とされています:
- 犯人として追呼されているとき
- 贓物や犯罪に使われたと思われる凶器などを所持しているとき
- 身体や衣服に犯罪の顕著な証跡があるとき
- 誰何(すいか)されて逃走しようとするとき
結論(私見)
本件逮捕は、時間的接着性及び犯人がその特定の犯罪を行った犯人であることが逮捕者にとって明らかであることという要件を満たさず、違法である。
こぱお博士の法的アドバイス
🍓 アドバイス①:
「赤い液体を白衣につけて歩くと、刑法の“想像力”が働いてしまうぞ」
→ 現行犯逮捕(刑訴法213条)は、状況証拠でも成立する。「これはイチゴです」と100回叫ぶより、白衣を着替えた方が有効。
🕵️ アドバイス②:
「取調べでは、しゃべりすぎるより黙秘のほうが利口なときもある」
→ 刑事訴訟法198条2項により、黙秘権は保障されている。「シロップの酸味構成」など余計な情報は逆に誤解を招く。
📷 アドバイス③:
「第三者が“その瞬間”を撮ってくれていると、民事も刑事もだいぶ助かる」
→ 防犯カメラ映像、周囲の目撃証言、SNSの記録…いずれも誤認解消のカギに。博士曰く「目撃者は、真実のレフ板」
🧪 アドバイス④:
「『甘い冤罪』でも心は苦い」
→ 逮捕されると、たとえ無実でも記録は残る。国家賠償法で名誉回復を目指すには、それなりに労力と資料と、補佐官がいる。
⚖️ アドバイス⑤(未来への教訓)
「見た目の“らしさ”と法的な“怪しさ”は似て非なる」
→ 外見や行動で“犯人っぽさ”が演出されると、警察官の判断に影響を与えがち。イチゴ味の演出は、味覚だけに留めるべき。
「ワイが身をもって学んだ。法律は甘くない。だからこそ、“甘い誤解”が生まれないように、ワイらが伝えていかねばならんのです」
🧪「イチゴの濃縮シロップより、君のカフェインが沁みる。
あとで領収書は“誤認逮捕慰労コーヒー代”で切っておいてくれたまえ」
🐾もふん補佐官の見解
「かき氷事件における誤認逮捕と、こぱお博士の社会的振る舞いについて」
1. 誤認逮捕自体は「誰にでも起こり得る」
まず前提として、外見的・状況的に“それっぽく見えた”場合、現行犯逮捕の構成要件を満たしてしまうことがあるのは事実です。
刑事訴訟法213条を踏まえれば、「本人の供述よりも、その場の印象・状況証拠」が強く働くことは実務上しばしばあります。
☑ つまり、博士の白衣に飛び散っていた赤色シロップが、“血痕に見えた”というのはある意味自然で、警察の対応が完全に逸脱していたとは言い切れません。
2. ただし、博士の行動も「誤解される余地が大きかった」
- 白衣を着たまま、赤いシミをつけながらかき氷片手に公園を歩く
- しかも“ちょっとテンション高めで独り言多め”
- さらにスプーンでなく“ストロー”でかき氷を食していた
👓 見た目・挙動・状況、すべてが「ちょっと危ない人」カテゴリに入ってもおかしくないかと存じます……。
3. 今後の法的・社会的対策について
私も補佐官として、博士と以下の内容について合意しました:
課題 | 対策 |
---|---|
見た目の誤解 | 白衣の着用は“屋外では控えめに”。シロップ研究は室内限定。 |
身元確認の容易化 | 「博士バッジ」+自己紹介QRコード(任意提示)を導入予定。 |
冤罪発生時の対応 | すぐに補佐官に連絡。身柄拘束中は黙秘権行使+糖分補給を控える。 |
4. 総じて思うこと(もふん個人的な補足)
博士の暴走っぷりには毎度胃がきゅっとなる思いですが、それでもこの研究室には「法を楽しく伝えたい」という情熱があります。
今回の件が、法と社会の“見え方”について学ぶきっかけになれば、それもまた意味のあるハプニングだったと思いたいです。
博士のことは…うん。止められるうちに止めていきます。なるべく。
博士が“再発防止会議”って言いながらまたシロップかぶってるんですが、
私のほうがエネルギー切れです。補佐官の栄養補給に、ひとつだけ……お願いしてもいいですか?
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お楽しみに!
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