登場人物
- 村瀬 拓海(43):中堅建設会社の元役員。経営失敗により多額の債務を抱える。
- 村瀬 志保(41):元妻。穏やかだが、拓海と共謀的な一面も。
- 本田(50代):金融機関の債権管理担当。
- 石川 弁護士(40代):本田の代理人。抜け目ない。
村瀬拓海は、経営していた会社が倒産し、金融機関や取引先への債務を約8,000万円残していた。資産は主に名義上自分のもので、不動産2件・預金口座・生命保険の解約返戻金が含まれていた。
そんな中、妻の志保と協議離婚が成立。離婚協議書には以下のような記載があった
- 財産分与として、不動産2件(総額7,400万円相当)、預金2口座(約400万円)を志保に譲渡
- 拓海には自動車1台(査定額40万円相当)のみ帰属
この分与割合に弁護士が驚くほどだった。
「……これはさすがに“不相当に過大な財産分与”だ」
離婚後も、拓海は不動産のうち1つに居住を継続。光熱費や税金の支払も彼の口座から続いていた。
志保は不動産の運用には一切関与しておらず、税金や管理上の通知も“旧姓のまま”拓海の事務所に届いていた。
また、不動産登記の変更や銀行口座の動きも調べると、拓海→志保への移転は“実質的には所有・支配関係が変わっていない”ことが露見。
しかも、離婚届提出の5日前に、差押登記を避けるように不動産移転手続が完了していた。
金融機関の担当者・本田は疑念を持ち、弁護士・石川と共に法的措置を検討。
提起されたのは**「民法424条に基づく詐害行為取消請求」**。
- 債務者が債権者を害することを知って行った行為は、債権者が裁判所に取消請求できる
- ただし、財産を受け取った人(受益者)が“害することを知らなかった”場合は除外
- 財産権を目的としない行為(例:結婚、相続放棄など)は対象外
- 債権者の債権が、詐害行為の前の原因に基づいて生じたものである必要あり
- 強制執行できない債権(例:道徳的義務など)では請求できない
主張の要点は以下の通り
ポイント | 内容 |
---|---|
📉 不相当に過大 | 拓海には実質的に何も残っておらず、全財産が志保に流れている |
🎭 実態不一致 | 離婚後も拓海が所有・支配している状態が継続している |
⏰ 時期的関連 | 債務の弁済不能が明らかになった後の、戦略的な移転 |
📑 仮託の疑い | 財産分与を名目とした「債権者からの逃避手段」に過ぎない |
裁判の行方やいかに...
こぱおの法律研究室・研究室ラボ(もふんがゼリー片手にウロウロ)
🧪こぱお博士(白衣のすそをバサッと翻して)
「もふん氏、今日の研究テーマはこれですぞ!」
(ホワイトボードにドンと書く)
🔖《不相当に過大な財産分与に仮託された詐害行為について》
🐾もふん補佐官(ゼリーをぷるぷる食べながら)
「もふっ、ながっ!博士、それ長いでもふ~。つまり“ごまかして全部元妻にあげちゃった!”ってやつでしょ?」
🧪こぱお博士
「そうそう、それです。いわば“名目は分与、実体は逃避”!見た目は合法、でも中身はアウトな典型ですぞい!」
🧪こぱお博士(マーカーを手に構え)
「例えばですね――ある夫が債務8,000万円を抱えていたとしましょう。ところが離婚時に、財産9,000万円のうち8,950万円を元妻に“分与”!」
🐾もふん補佐官(ツッコミモード)
「えっ、それ博士にはテレビもカップラーメンも残ってないパターンでもふぅ!? ほぼ無一文~!」
🧪こぱお博士
「しかもですよ、財産を譲ったあとも、家に住んでる!管理費も税金も自分で払ってる!それって――」
🐾もふん補佐官
「ニャニャッ!“ただの名義スライドごっこ”にゃっ!!🐾💥」
🧪こぱお博士(突然ねこ!?)
🧪こぱお博士(まぁええか...ゴングの音を模して)
「結果、裁判所はこう判断します。“これは社会通念上、不相当に過大な分与であり、実質的に詐害行為である!”ババン!」
🐾もふん補佐官(ひそひそ声で)
「こっそり隠したつもりが、民法424条が忍者みたいに“それ、取り消しまーす”って現れるんですニャ…もふ!」
🧪こぱお博士(感慨深げに)
「つまり、“財産分与”というワードにごまかされてはいけない。実体が伴っていなければ、仮託とみなされてしまう――これぞ、民法の洞察力ですぞぃ!」
📌**“名義を変えても、実態が元のままだとアウト!”**
📌**“元妻が“実は置物”になってるとバレる”**
📌**“分与割合が極端なら、逆に目立つから注意!”**
論証
財産分与が768条3項の規定の趣旨に反して不相当に過大であり、財産分与に仮託してされた財産処分であると認めるに足りるような特段の事情があるときに限って、しかも不相当に過大な部分についてのみ、財産分与は詐害行為に当たると解する。
家庭裁判所は、当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して、分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。
つまり、離婚後に財産分与の話し合いがうまくいかなかった場合、家庭裁判所が「どれくらい、どうやって分けるか」を決める条文です。
結論
本件では、拓海から志保への財産分与について、不相当に過大部分(裁判所が判断)は、詐害取消請求が認められる。よって、本田の勝ち。
こぱお博士の法的アドバイス(仮託編)
🏚️その1:「“元妻に全部あげた”が通じるなら、この国は無敵ゾーンですぞ」
どれだけ“財産分与”と主張しても、その内容が極端だったり、実質が伴っていなければ——それはただの“財産隠し”。
裁判所は中身を見ているのですぞ!
⚖️その2:「“平等”の仮面をかぶった“逃避劇”、すぐに見破られますぞ」
分与はあくまで“合理的な範囲”でこそ正当。
借金があるのに、一方に全財産が流れてる? それ、すぐ嗅ぎつけられますぞ~!
📜その3:「契約書より、レシートより、実態がモノを言いますぞ!」
名義変更だけではダメ。
本当に所有者が変わったのか、住んでる人・払ってる人・使ってる人——そこを見られてしまいますぞ!
🕶️その4:「“離婚劇”の脚本に法の目はダマされませんぞ」
離婚そのものは自由。でも、それを使って“債権者を振り切ろう”とするなら、法律は遠慮せずツッコミますぞ。まさに仮託!
💣その5:「過大な分与は、“愛”ではなく“計算”と見抜かれる時代ですぞ!」
本当に別れた夫婦なら、“極端な財産の傾き”は説明できない。財産分与も“やりすぎ”たら、通らないことがあるんですぞ!
👇「この一杯で、次の法律実験がはかどるんだよねぇ…☕」
コーヒー代 300円🐾もふん補佐官の見解
🎯その①:「分与って“全部あげること”じゃないもふぅ~!」
「元夫が8割の財産を元妻に渡して、自分はポケットティッシュしか持ってない状態って…それ、“恋”じゃなくて“隠蔽”もふぅ~!」
👀その②:「バレてないつもりでも、税金と電気代は正直もふ」
「住んでるの元夫。支払いも元夫。でも登記だけ元妻。これ、“ねこ用トイレを犬に登録した”くらい意味ないもふ…」
💸その③:「債権者だって感情あるもふ!」
「“あ、全部分与したんで払えません”って言われたら、そりゃにゃんとか言いたくなるでしょ。法律は“気持ち”より“実態”もふ!」
🧠その④:「“離婚”を使って“隠す”って、裏口から出て正門に戻ってくる動線もふ」
「どうせバレるのに…だったら最初からちゃんと話し合えばいいのにもふぅ~。調査会社と弁護士の猫パンチは強烈もふよ!」
⚠️その⑤:「財産分与は『別れの手当』、逃げるための盾じゃないもふ!」
「本来は夫婦で築いた財産をフェアに分ける制度なのに、それを債権隠しに使うって…それ、制度への裏切り行為もふ!」
👇『法律も甘味も、噛めば噛むほど味が出るのです。ドーナツ代、任意で構いません🍩』
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